で、PR会社って何してるんですか?

PR業界の悩みやグチ、そして時々参考にしていただけるかもしれない情報を徒然なるままに書き綴っていきます。

それ本当に「記事」って言えますか?:まとめサイトを考える

「これって剽窃でしょ?」

 

大学院に在籍してから新卒でPR会社に入って色々メディアについて調べていたときのことです。クライアントの記事のリンクや文章、そして画像までが「引用」されているサイトを見つけました。「NAVERまとめ」です。

 

「これでPV稼ぐのってありなの?」

 

大学院では、「剽窃」いわゆるコピペには厳しい管理の目がありました。コピペ、盗作がバレたら良くて単位没収、やり方によっては放校になります。まとめサイト修士論文どころか、はっきりいって学部のミニレポートでも単位没収になるレベルの盗作です。 NAVERまとめやDeNAのキュレーションや記事レベルのことをしたら余裕で「放校」です。

 

疑問がわいてきましたが、当時はあまり考えずにスルーしていました。「これだけ大々的に剽窃しているんだからメディアとの間に何らかの了解があるのかもしれない。それこそ記事のポータルサイトへの転載のようなビジネスモデルかもしれない。」、それとも「大学と社会は違う。これはメディア的にはセーフラインなのかもしれない」等と漠然と考えていたのです。

 

それ以降はあまりまとめサイトには深く考えずにいたのですが、去年の末にDeNAキュレーションと記事パクリ事件が起こります。

正直なところは本当に驚きました。

 

「一切許可とってなかったのかよ!!!」

 

さすがに「パクッてる」だけということは考えつきませんでした。きっとどこかで「引用許可」をもらったり、「使用料金」を払ったり、合意を得ていると思っていました。しかし、知人のメディアやフリーランスライターの方々はSNS上でDeNAに対する不満や問題点を次々に挙げており、「誰一人納得してない」まま運営されていたことが事実と知りました。

 

さて同様の形態をとるNAVER側はどういう理屈でこれをセーフだと思っているのでしょうか?NAVERまとめの理屈としては 「””」でくくって引用表記をしたり「出展元」を書いているから引用だという主張なのでしょう。しかし、これが引用としてまかり通るのは「ある主張に対し、それを理由づける場合」のみです。少なくてもアカデミックの考え方では。いやそれ以前に、「文章がほとんど引用で構成されているものが「引用」といえるのか」という疑問は運営側は考えないのでしょうか。不思議です。

 

これが著作権的にどうとか、法律としてどうこうというより、これをやったら「やられる側」がどのように感じるか、どういう問題が起こりうるかという圧倒的な想像力不足が問題です。これがサービスとして成り立って広告料金を取るということは、オリジナル記事の搾取に等しいです。

 

そもそも「筆者の主張や考察、経験値」が入っていない文章は記事といえるのでしょうか。なぜ、こんな「取材」をしていないものが「記事」と呼ばれるのか不思議でなりません。私の認知しているメディアの方は一日に数回のプレスイベントに出席し、イベントの合間に記事を作成し・記事をアップします。夜は翌朝アップする記事を作成します。取材に同席していると、「こういう切り口で情報を引き出そうとするのか」とそのインタビュアーの技術力に何度も驚かされたことがあります。

 

そういう微妙な駆け引きや、記者会見や取材前には事前に勉強したり、過去の経験を踏まえた質問を行うことで情報を引き出して記事を書かれています。それを「引用」という名で盗用することは将来のメディアの質を担保していくために全くプラスになりません。誰かが苦労して書いたものにフリーライドして利益を得ることは、真摯に運営されているメディアのモチベーションを下げ、記事の質の低下を招きます。

DeNAだけでなく、他のキュレーションサイト運営メディアも次々にサービス停止を発表しているようですが、やはり大手のNAVERが最終的にどのような運営を行っていくかが気になるところです。