で、PR会社って何してるんですか?

PR業界の悩みやグチ、そして時々参考にしていただけるかもしれない情報を徒然なるままに書き綴っていきます。

広報に英語力が必要だと思うたった一つの理由

 会社の方向性、規模、文化によって重要度は異なると思いますが、広報にかかわる人にとって英語力は必須だと考えています。私は一年間イギリスに留学をして修士号を取得しましたが、まだまだ英語の聞く・話す・書く能力については大きな課題を感じています。PR会社で仕事をしてレポートやメール、電話会議などで英語は使いますが、海外のエグゼクティブクラス(※)の人たちと円滑にコミュニケーションをするには、広報知識+英語力が不十分で、3年経った今でも、まだまだ時間がかかると感じています。

それでも留学をして、英語を勉強しておいて良かったと思える点は情報の収集量が、英語ができているときと、できないときでは全く違いました。

 

※日本・海外でも広報担当者やマーコム(マーケティングコミュニケーション)を担当する人は広報経験、語学力、製品・業界知識に長けている35~60歳ほどの経験者であることが多々あります。このレベルの人たちと、外部のPR会社が、対等に話をするには相当な勉強量が必要になります。

 

【海外発の情報を入手できない:インプット力】

「なんだそんなことか」と思われるぐらいシンプル回答で恐縮です。。それでも当たり前と思われていることを、改めて強調する理由を書いていきます。

 外資の企業を担当していて、ことさら強く思いますが最新の技術や分野の情報はまず英語から発信されます。世界レベルの企業は新製品の発表を日本ではなく、海外で実施することも増えています。英語の読む・聞き取るができないと情報戦で負けますし、マーケットを海外に向けたときに積極的なメディアアプローチ、論調調査ができなくなります。

 例えばIT製品・サービスも主流は海外です。プラットフォームや業務用ソフトウェア、セキュリティ製品にいたるまでGoogle, Yahoo, FacebookIBM, Symantec, FireEye, Paloaltonetworks, SAP, Software AGなど出てくる企業はアメリカやドイツ企業ばかりです。これら世界的な企業でも日本でのセールス・サポート体制は十分といえるところは限られるでしょう。

 日本最大の展示会やイベントに日本のトップ企業が出ずにアメリカの展示会などで発表することは珍しくありません。通訳や翻訳者が和訳するまで情報を仕入れることができないということは、情報通信の発達した現代でデメリットしかありません。英語力というと交渉やスピーキングなどに目が行きがちですが、リーディング力があるだけでも情報のインプット量が全く違います。

 環境背景としてもアプリやニュースサイト、SNSの発達であらゆる場所のあらゆる情報を入手できるようになり、いかに自分にとって有益な情報を精査して手に入れる「インプット力」はやはり重要といえるでしょう。

 

【そして次は(小さな)アウトプットから】

まずはインプットとなれば次はアウトプットとなります。まずは簡単なメールの応対ができるようになればいいでしょう。まずは2、3行の簡単なメールの返信が打てるレベルです。時差がある海外と日本のやりとりでは、電話会議(※)も当然ありますが、それでもメールのやりとりが主流です。広報の用語などを勉強する参考書やサイトなどはあまり見当たらなかったので、上司やクライアントが使っている英語文を暗記したり、テンプレートととして応用して使うことで慣れていきました。

※カジュアルな電話会議ではグループ通話ができるSkypeやLINE通話が主流になってきています。

 日本のみの製品・サービス展開をしていても、話題性が高ければ海外からも必然的に問い合わせがきます。その際にメールや電話で適切なレスポンスができないと取材機会を失います。海外での製品展開をその時点で考えていなくても、小慣れた表現での返信ができなくても、要点を押さえたしっかりとした対応を行うことでメディアとのリレーションを構築・維持ができます。これも相手からの質問の意図をしっかりつかめるインプット能力さえあれば、回答は日本語で考え、それにあてはまる英語表現をインターネットで探し、アレンジを加えれば回答を返信することができます。

 これらのことは広報に限らず、営業・マーケティング・技術担当者にも当然あてはまることですが、広報はとりわけあらゆる社内部署・外部から多角的に情報を集め、統制する役割があります。外資の企業であれば、本社と日本では権限は大きくことなり、本社とのコミュニケ―ションは不可欠なので、総合的な英語力は必須となります。

 

PR会社のお仕事

ここで一度、PR会社の基本業務を整理いたします!

 

<基本業務> 

  1,  掲載レポート/クリッピングの作成   

       2,  ブリーフィングシートの作成   

       3,  メディアイベント対応 (-ロジスティクス / メッセージづくり / メディア誘致 )       4,  取材同席/取材対応   

       5,  プレスリリースの作成/翻訳   

       6,  メディアキャラバン/メディアツアーの実施   

        7, 読者プレゼントの実施   

        8, メディアヒアリングの実施   

        9, リサーチ業務 (PR素材の洗い出し・ファクトシートの作成など)

  10, 危機管理広報

     11,  展示会運営

  12,  SNS運営

 

上記の項目はPR会社の得意な業界・業務にかかわらず基本的な業務としてかかわることが多い領域です。1〜9の業務についてはPR業に携わっている方はどなたでも経験する領域になるでしょう。

10,11,12も比較的関わることがあるかなと思いますが特に10に関しては突発的な事象のため経験したことがない人も多くいます。私自身も危機管理広報(※)に関わったことはありませんが一度は体験したいと思っています!(少し不謹慎かもしれませんが。。)

また、一定以上PRのキャリアを積めば「メディアトレーニング」といって、新人の社長やスポークスパーソンがメディアの対応を行う上での基礎知識をシミュレーションを交え指導する業務にも関わります。

 

(※)<危機管理広報>

私は主にIT系のクライアントを担当しているため、比較的リスクにさらされにくい業界といわれています。危機に直面しやすいのは一般消費財の中でも命に関わる可能性が高い領域になります。皆様もご覧になったことがあると思いますが、第1に食品、そしてクルマ業界も多いでしょう。

 

食品といえば、雪印集団食中毒事件、2007年に起こった『赤福』の賞味期限切れ問題をはじめミートホープ船場吉兆マルハニチロなど記憶に新しい事件も多いかと思います。

そして偽装や事件にプラスして報道陣への対応が不適切だったがために悪化した報道も多々あります。「私は寝ていないんだよ!」と押しかける報道に対し放った不用意の言葉。記者会見にもかかわらず、経営体制の不信感を募らせるトップによる会見は船場吉兆ミートホープが当てはまります。

事件発覚後の対応一つで、実際に起きた事件以上に問題が波及し、ブランドイメージを損ねる自体になります。ここでも危機管理広報の重要性はわかるでしょう。

集団偽装をするような会社が、広報と経営が一体化した適切な対応ができるとはもちろん思いませんが。

 

 

 

 

 

 

PR会社に「総合的なコミュニケーション」は任せられるか?

<PR会社に「総合的なコミュニケーション」を任せられるか?>

 

  実際問題として原義のような「あらゆるステークホルダーと繋がるような仕事」をいつ契約が切れるともしれないPR会社に依頼することはできません。「総合 的なコミュニケーション」には業界と自社製品に対する知識と、関係者を始めメディアや株主とのコミュニケーションが求められます。

 

オンラインメディアやSNSが台頭し情報発信の方法が多様化している現在では、社内広報担当者がいても、この全ての業務を賄うことが難しくなってきているのが実情です。できていない部分を補完するため、もしくは経費削減のためにPR会社を雇うのです。

そしてその「できていない部分」や「広報業務て一番優先したこと」の本音としては売り上げを意識したプロモーション的な部分になるのでしょう。

しかし、PR会社がプロモーション以外の仕事や総合的なコミュニケーションを任せられることはないのか、といえばそんなこともありません!

 

<広報機能そのものを委託される場合>

 

日系大手をはじめ、日本でも名の知られる大手の外資企業では、広報部やコーポレート・コミュニケーション、マーケティングコミュニケーションといった広報機能がある程度確立されています。このような企業がPR会社を雇う際は、単純にマンパワーの問題であったり、アクティビティに対する戦略的な助言を求められる場合です。

しかし、名の知れた企業はひとにぎり。実際は広報機能が確立していない企業は多数いらっしゃいます。

日本に進出したばかりの外資系の企業やスタートアップ(ベンチャー)企業は、社員が1人~3人と限られた人数で仕事をすることが求められる一方、本社の意向などでどうしても広報体制を確立することが求められています。

私も日本に進出したての外資企業の広報部として仕事をしましたが、リソースは2人。社員の方は営業や運営、経理のことで時間的な余裕がなく外部との広報コミュニケーションのほとんどの委託を受けました。

信頼関係を築けば、いろいろな情報を任せてくれるようになり、こちらも部分的な仕事ではなく様々な業務内容を知ることで総合的にクライアントの広報活動の戦略を考えられるようになりました。プロジェクトの仕事を3回ほど請け負ってからリテイナー契約を結び、それも1年ほどかかりましたので、信頼関係は広報という情報を扱う業務には不可欠だと感じます。

相手が外資であるとSOW(Scope pf Works:契約書でコミットした業務量)を設定しますが、実際仕事が動き出すとSOWだけではなく、追加の業務や相手の要求も変わってきます。そのあたりにフレキシブルに対応する技量も信頼関係には欠かせません。

もちろん業務以上のことをしてほかに担当しているクライアント(※)の仕事をおろそかにはできませんので、そこのバランス感覚が非常に重要になります。

※PR会社は一人のPRパーソンにつき担当を3社から5社ほどをもちます。

 

 

 

PRってPromotionの略じゃなかったっけ?

本ブログではPR業界のトレンド、仕事内容や日々感じることを紹介し、PRという仕事に興味をもたれている方に、リアルな情報と所感をお伝えしていければと思います。

また、サブエントリとして広報という仕事するきっかけになった【英国大学院の留学】についても情報をポストしていきます。そちらも読んでいただけますと幸いです。

 

<それでは、いざ自己紹介!(`・ω・´)>

ちなみに私はPR業界4年目に差し掛かるそろそろアラサー、男です。就職する前はもっぱら引きこもりがちな生活を好んでいましたが、ひょんなことからPR業界に足を踏み入れました。

広報として4年目といえば「そろそろ広報のことわかってきたぜ!」と思えば、クライアントや上司に激しくつっつかれて肩を落とす、なんとも足元がおぼつなかい、そんな時期です。広報に限らず、社会人共通の悩みですね!

それでは、最後に所感としてPRについて一つ思ったことを書かせていただきます。

 

<あれ、PRはPRomotionの略じゃなかったっけ?>

PRに関わっている人なら当たり前の話ですが「PR=Public Relations」を指します。

しかし、この間社内で「PR=つまりPublic Relations....」というフレーズが聞こえた時に、この当たり前のことがなんとも意外に聞こえました。そしてPR会社の関わっている仕事が非常にプロモーション的な部分が多いことに、そのとき初めて気づきました。

 

「PRとは社内・社外問わずステークホルダーと良好な関係を築き、円滑なコミュニケーションをとること」

 

「PR・広報」については上記のような説明はよく見かけますが、言葉としてはその通りだと思いますし、Public RelationsはPromotionの意味も含んでいます。しかし、PR会社でいうPRは「PRomotion」というニュアンスで話されることが非常に多くなっています。

 

「よし!、A社のPRプラン考えようぜ!!」

 

こういった場合はほぼ100%、Promotionの意味合いで話がなされます。

 PR会社はクライアントから、契約フィー(※)をもらいPRプラン作成を依頼されます。そしてその依頼は基本的に「販促」・「ブランディング」といったいわゆる攻めの広報をさすことが多いのです。

※フィー:Fee。契約には大きく分けて中長期型の「リテナー・マンスリーフィー」と単発「スポット・プロジェクト」の2種類があります。

 

次回に続きます!